ねがい、ました。


「きゃあ!」

パリン



放課後のSOS団(文芸部)室で陶器の割れる音が響く。

今は音の原因となった未来人の少女が一人いるのみ。



まだ他のメンバーはここに来ていなかった。



いつも寡黙に佇む宇宙人も、いつも笑顔を貼付けている超能力者も、

いつも感情豊かに行動する「彼女」も。

そして 彼 も。



陶器の破片を拾いながら
少女は少し思いにふける。




(こんなところを見たら、真っ先に心配してくれるんだろうな。)



いつも心配をかけてごめんなさい、と思ってはいるけれど。

周りを常に心配している彼が一番に心配してくれるのは。




(私、だよね。)




少女の口元に薄い笑みが浮かぶ。


「あ、痛…。」


破片で指先が小さく切れた。
血がにじんでくる。



(また心配させちゃうかな。)



「早く、来ないかな…。」




早く来て。



私を見て。

心配した顔を見せて。





少女の口元の笑みは少し深くなった。



コンコン



「あ、はぁい。」



end




なんか薄暗いみくるちゃんの思考でした。
うーん、自分でもみくるちゃんのことどう思ってるのか分からない;
好きですけどね。小動物っぽくて。あれ?;


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